熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

花村えい子先生

少女マンガ家の花村えい子先生が12月3日に亡くなられたと発表された。

先生には20年ほど前に小学館のパーティーでお会いしたことがある。
戦記雑誌丸で連載を持っている異色の少女マンガ雑誌に投稿していた変わり種として、戦争画家の父親を持つ山本順也編集長が紹介してくださった。
もちろん面白がられた。
あの頃私は戦記ライターを名乗っていた。
(JUNEでも仕事をしていたけどね。
光栄の編集部が刷ってくれた名刺の肩書きは煩悩主婦だったなぁ。)

少女マンガを一気に面白い世界にした山本編集長も今は故人だ。
あの頃は編集者に戦争を知る層がまだ沢山おられた。
父上が連合艦隊の艦長だった少女マンガの編集さんもおられた。
漫画家には中野学校出の将校の娘さんもいらして、お父様のお葬式に小野田少尉の姿があったなんてエピソードもある時代だった。

NHKで花村先生が戦争を語ったことがある。
東京大空襲の絵本もお描きになられた。
戦争を知る世代が減っていく、それは日本が75年も戦争をしていないという有難い時代が続いているということだ。
戦前をよい時代と思っている人がいるが、明治大正昭和20年まで台湾出兵日清戦争日露戦争第一次世界大戦、シベリア出兵、ノモンハン、やらなんやらで戦争や戦闘に日本人は結構いた。
戦前のモガモボの時代の裏では張作霖爆殺事件が起きていた。
そして、真珠湾攻撃から太平洋戦争に突入し勝った勝ったの大本営発表に大衆は酔い、気がついたら空襲で焼かれ原爆まで落とされた。
辛い思いをした人たちが戦争をしない日本をつくっていったが、もう覚えている人たちは減った。
今の日本はどうなるのだろうと思う時もある。

このまま戦後が続いてくれたらよいと願う。


https://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/shogen/movie.cgi?das_id=D0001130243_00000&seg_number=001

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