他に石膏の作品とかもあり、石膏は学生時代のかもしれない。
死後20年持たない熊谷登久平による記述の悲しさ。
義父の宝物の長谷川利行が描いた熊谷登久平の絵が展示されていた痕跡をやっと見つけた。
1979年5月10日から22日まで名古屋の松坂屋で開催された長谷川利行展の図録に別添で追加出展一覧があり、中に熊谷登久平の肖像画がある。
名古屋の松坂屋だよ。
しかも松坂屋美術部と、羽黒堂が協力をしてる。
義父は羽黒堂とは贋作騒動で関わっていた。
義父が世話になった方が所有していた義父の部屋で描かれた長谷川利行作品を贋作にされたりで、画商を嫌っていたんだよね。
冷静な手記も残っているけど、スクラップブックには贋作と言った人の名が残る新聞記事も残してる。
義父が巻き込まれた贋作騒動の中には本物を見せられて、板にサインしようとしたらシール的なものを渡されてそこに鑑定を書いたらそれを贋作に貼られて裁判一歩手前までいったことがあるらしいけど、詳しく知っていた義母ももう亡くなっているから真相は謎。
しかし、熊谷登久平の肖像画はどこにあるのだろう。
戦前に長谷川利行を監禁して描かせた画商を嫌い、売れてからあれこれ言い出した画商を嫌い。
自由に絵を描くために東京航空計器の役職を続けた義父は、バリベア会のお弟子さんが画商に追いかけ回されて逃げているとか書き残している揶揄するぐらいだった。我が家にはそれが書かれたバリベア会の会報が残っている。
戦前の個展は東北方面の友人や身内が企画したものが多い。
あとは共同展や独立美術協会展にやはり百貨店の展示会だ。
企画画廊でやる場合も戦前から硬派な個展を開いたところがメイン。
売れない頃に楽しくない思い出が多いためかしら。
まあ、長谷川利行さん絡みが大きいとは思う。
思うだけですけど。
熊谷登久平は長谷川利行ともう一人と展示会をさせてくれた彩美堂には恩義を感じており、戦後も付き合いを続けて、ご遺族が贋作騒動に巻き込まれた時は手伝っている。
浅尾拂雲堂では戦後も二階で飲んでるし、額縁をお願いしている。
夫はずっとお付き合いがある。今も。なので私も台風のように押しかけては美味しいピラフとコーヒーを楽しみ、夫にはクロワッサンを二個買って帰る。
そんな画廊きらいな熊谷登久平が日本橋三越の美術部で個展を開催したのはお弟子経由で頼まれたかららしい。
三越の企画画廊は日本でも有数の場で、そこで亡くなるまで連続で個展を開いたのは凄いと私は思う。
個展で絵を売り始めたのは予定外でできた次男の養育費のため説もあるけどね。
この日記を読んだ人から、源氏物語を例に女の祟りで熊谷登久平の遺族は不幸になったと昨日言われて、思わず源氏物語は誰の版で読んだのかと聞いたら「微塵も読んだことがない」と。
光源氏は当時としては長寿で成功者で、寝た側には当時の女としては幸せな生き方ができた人もいる。
あとさあ、源氏物語はフィクションだ。歴史に残っていると言われると私の地雷が発動だ。
熊谷登久平は確かに女遊びをしていたが、明治生まれの文壇画壇で潔癖な人をあげてくださいと聞くと詰まる。
それで、私を新興宗教に導こうと思うのは驕りだと、流石に怒った。
今私はとても疲れやすい、よく寝込む。
原因はもうわかっていて心臓が不健康なせいだ。
やりたいこと、調べたいことが沢山あるし、孫が可愛いし、超氷河期の娘の将来が心配だったりする。
夫も具合が悪い。
猫たちも高齢だ。
アラ還の私の中での優先順位の中で、新興宗教は低い。勝手に世界を救世すれば良い。宇宙規模の話は暗黒神話で私は充分すぎるほど満ちた。
百億の昼と千億の夜や暗黒神話を思春期に読めて、宇宙のオデッセイを映画館で観られた私は幸せだ。
その宗教が始まってから百年?
その教祖様の一族は幸せなのか?
私が理屈ぽいのはわかっているし、理屈ぽいからノンフィクションの仕事ができた。
自分が間違っているとは絶対に認めない人なので、テレビで言っていた、自分は新聞を読んでいるとか言い出すが、新聞を読んでもどれだけが身になっているのか、私自身高等教育を受けてないので語れる立場ではないけど、日本の古典の中で、現代日本の女視点で幸せになった女がどれほどいるのかと。
少し進んで吾妻鏡の政子様とか、あれ耐えられるか?
でも自分の実家は続く。
恋愛結婚でも他に女作られて嫉妬で女の家を焼き払う人生って幸せか?
吾妻鏡も読んだことがないと、あんたが自慢しているご先祖のアレ出てるぞ。
昨日は物凄く疲れた。
フレンチやディズニーランドに行く楽しみと、友人の多さの話や、オータニのランチや金沢で一番高いホテルに泊まった話とかは、凄いね良かったねで察して欲しかったが「今、だるい。点滴をしてきた」と言っても察してもらえず、夕方病院に行き明日も病院だと言っても幸せは教祖様のおかげだと延々と続く。
9月に千葉のディズニーランドと都内の赤坂離宮とか周るのは理解できたが、相手が察して欲しがっている日本画家になりたかった教祖様のへの感謝とかを受け入れるには、今の私には余裕がない。
とても金かかる宗教だしね。