熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

雨漏り

先月の暴風雨の被害というか元々弱っていた場所がやられた感じで雨後、床に水のシミがでる。
築50年弱の家だから仕方ないけど、天井が崩れて義父が大事にしていた戦前の品とかダメになるのがとても怖い。
怖いからと昔の勤務先に義父の渡航後援会の名簿とか預けたりしている。

今日昔の上司と話していて、美術の人は美術品を求めるけど、私らは時代の中のパーツとして見るよねと。
群像があって、例えば東京大空襲で逃げ惑った人の群れだけど、それを個にして追っていける時代のものが残しておかないと、当たり前のように語り継がれたものが途絶えてしまうと。

今、足立区立郷土博物館には私がコツコツ調べたものが展示されているけど、若い人が見たら爆弾が落ちたとかB-29ってなんだろうになる。
大きな爆雲の下で亡くなった人がいると今わかるのは戦後50年の頃に聞き取り調査をしたからで、元々写真を持っていた爆弾を落としたB-29の搭乗員には、ただの頑張った証の写真でしかない。

今私は畑違いの熊谷登久平の資料をガサゴソしているけど、関係者が生きているうちに調べておけば、のちに役に立つこともあると、そう思いたいな。