熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

悪い話しが続く重なる

今ってB5のクリアファイルブックがなかなか売ってないのね。義父の資料用で欲しいので探してる。

 

夫から義母がたまに作ったソース焼きのトンカツを所望された。

彼の記憶の中のそれは上野桜木にあった肉屋のたまごやのトンカツを前日買い、翌日フライパンで焼きブルドッグの中濃ソースを両面にジュッとまわしたそうだ。

私は母が名古屋生まれなので、味噌カツは作れるがソース焼きは塩梅がわからない。

ちょっと悩みはしたがヒレカツを買ってきて冷蔵庫で寝かせて萎びさせてからフライパンで空焼きし、カラッとなったら中濃ソースをぐるっとまわしかけをし、ひっくり返してジュとさせてから片面にもソースをまわしてみた。

食べた夫によると合格らしい。

今度からトンカツはこれでやって欲しいとのこと。夫は今とても疲れているので、好きなものを食べるとニコニコする彼のためなら頑張る。

今夫がハマっている鳥皮を使った料理も頑張ってレパートリーを増やそう。

醤油味だろうが中濃ソースだろうが味塩に味の素も調味料に使おう。

そのかわりに野菜も食べてもらっている。昨日は付け合わせにキャベツと白菜と豚バラ、干しエビ、ネギ入りの私の父が言うところのどて焼き(お好み焼き風)を使っておいた。それを彼は好きな時に食べる。神戸の血が半分入っている私には粉物は万能だ。なんでも混ぜて焼けるし、野菜嫌いの夫も食べる。こっそりピーマン入れてても食べる。

 

 

 

メインバンクが認知症で入院中の退去予定の住人が破壊した部屋の修繕の融資は難しいと言ってきた。

家の建て替えなら融資ができる話はある。その場合は億単位だ。それは相続税対策らしい。

 

うちのアパートの家賃は安いから1000万円かけて修繕しても回収できないと銀行は判断した。

別の事業用に部屋を作り替えたとしてもこの土地は場所が悪い難しいと言われた。

他の銀行に行っても同じ判断だろうとのこと。

その部屋を修繕しないとアパート全体がダメになる。でも修繕費をかけても回収できないから、我が家ごと売ることを推奨された。

アパートは同じ敷地内なので家ごと更地にして売った方が修繕するより良いとのこと。

だとしても今住んでいる人に退去をお願いしたとして、それだけでも1000万円以上かかる。

以前建築メーカーが提示した相続税対策の建て替えで見積の中の解体費が1500万円。

 

 

家賃収入と店の収入がある今だから生活できるが、相続税を払ってから流動資産がない我が家、アパートを手放し、店も手放したら私たちは生活ができない。残ったお金を投資にまわすとかは厳しい。夫と私の年金はほぼ国民年金だ。

 

数年前にメインバンクが持ってきた投資、原資が既に半分に減っている。今も減り続けている。

その銀行が勧めるところに家を売ったとして、そのお金を任せても良い結果が出るとは思えない。

一昨年まではメインバンクの担当さんが、年末にはカレンダーを届けてくれたが去年はなかった。

先がないと見切られたのかなと夫と話してはいた。

 

山手線の駅から徒歩10分、千代田線の駅からは7分だがそこからはダラダラ坂とも言われる長い登り坂。

バス停は近いが1時間に1本という時間帯があるのも我が家の立地条件価値を下げ、ニ方が墓地なのも悪い条件だという。だから路線価より価値はなく、今が売り時という話しも来る。

 

それは不動産や銀行の投資物件としての視点であって、ここは夫の生まれ育った場所であり、戦前に画家たちが憧れた場所であり、義父の熊谷登久平が頼み込んで泣きついて購入した銅の屋根の屋敷があったところ。

それを義父が修繕して、庭も美學の校長の屋敷だった頃に横山大観まで入って復元したという。

その邸と日本庭園は義父が亡くなり維持するには金がかかるので壊した。相続税のために別邸は手放した。

お弟子さんたちが2人の子を抱えた義母の生活が成り立つよう考えた家が今の建物だ。

 

長谷川利行たちとの夢の家があった場所だから私たちの代では手放したくはない。

衣子さんが東京大空襲の時に守った場所でもあるし。

 

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