熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

ワカメの産地

最近、家族で食べた味をリクエストすることが増えた夫。交通事故の後遺症で気弱になっている。
今日のリクエストはトロトロのワカメの味噌汁。夫はトロトロの品種があると思い込んでいたが、それワカメを煮込むだけ。

51年前に亡くなった義父の熊谷登久平がバター好きでワカメのみそ汁にバターをのせて食していたとか。
炊き立てご飯にもバターをのせて醤油をかけて食べていたそうだ。
それを見て育った夫の7つ歳上の久さんもバターのせが好きで、もちろん夫もバターが好きだ。


義父の元内縁の妻のおばあちゃんと、義母と、お手伝いさんと兄弟の食事。
それが夫には懐かしくて幸せな食事の思い出なんだろうな。
小学3年生の時に義父が亡くなり、突然貧乏になり(夫視点であり、平均的な世帯よりは裕福な生活してる)、小学校で虐められるようになり、義母は精神的に一時期変で大変だったとか。

で、クタクタに煮たワカメのみそ汁、義父のファンが送ってくださったジャガイモと玉ねぎも入れたけど、夫喜んで食した。
ワカメは岩手県産を買った。

私は明石で育ったので、瀬戸内海のワカメが好きだが東京では鮮度の良い瀬戸内海産のワカメを、私の生活圏ではあるが、見ない。
めちゃくちゃ塩の多い鳴門のワカメは見るけれど。
綺麗なワカメだとどうしても東北産になる。流石に慣れた。

花の東京生まれだけど、梅干しにサトウとか謎の食べ方をする夫。
彼が懐かしむ料理は出汁がアンのうどんやバターご飯とか。
オシャレな写真が残っている義父が白いご飯にバターをのせて醤油をかけていたんだとギャップ萌え。


昔は日本中のお弟子さんや関係者から食材が届き、義母とおばあちゃんがお裾分けに出して、おばあちゃんが義母に義父好みのレシピを教えていた広い台所。
家庭教師に学び、ピアノの先生も通ってくる。洋画も学ぶ。
義父のお弟子さんの思い出の中ではいつもピアノを弾いていた坊ちゃん。

その坊ちゃんの夫はもう還暦過ぎて難病も抱えて体調が悪い時は悪い。そして最近は幼い頃の料理の再現を私にリクエストしてくる。
長生きしてほしい。

浅草で関東大震災にあい、深川区の被災者住宅で育った義母が作ってくれたという深川飯もリクエストされているが、貝の下処理大変な気がする(T ^ T)

写真は店子さんから頂いた予約しないと買えない京都のわらび餅。
f:id:TokuheiKumagai:20201106215233j:plain