熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

美術の窓8月号

発売されました。
美術の窓 にて義父の #熊谷登久平 が宝物とし人に見せなかった #長谷川利行 のスケッチブックであろうものの事を書きました。
長谷川利行のスケッチブックは義父が死ぬまで大事にした青春の形見であり、宝物でした。
公開することを義父は望まないかもしれませんが、死後に長谷川利行ゴッホに重ねるために奔走したテオになりたかった人たちが作った長谷川利行像を見直す機会になればとも考えております。

関東大震災からの復興にわいた東京市の時代、モボとモガが闊歩する華やかな時代と思われがちですが、既に軍靴の響きがあり、復興のために東京に集まった地方出身者たちは市内の貧民街で生活をして、オリンピック合わせで東京市外に追いやられていきます。

イソップ寓話のアリとキリギリスの、キリギリスのような生活をした冬に備えていなかった、もしくは処世術を持たなかった画家たちには辛い時代が来るまえの、ほんの僅かな幸せな時代。
その頃の空気を閉じ込めたような義父の宝箱には利行のスケッチブックと一緒に住むつもりで用意した家のリフォーム計画の青焼き、勘当された義父を支えた内縁の妻の写真などが入っていました。


一時期、多摩美の美学の先生が無教養なものが美術を語ることへの遺憾を述べておられ、私も呆れられました。
残念ながら私は教養がないので大衆的な思考からどうしても離れられない。

教養なく孫がいるバアさんの私が、美術誌に原稿を書くことの怖さは半端なく、古巣の足立区立郷土博物館の学芸員さんに助けてもらいました。
学芸員の小林優氏とは親子ほど歳が離れています。専門職にフォローしてもらえるのは結構助かりました。


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