熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

梔子色の沢庵

向かいのお寺の紅梅が咲き始めてる。

先日、取材先で分けていただいた自家製の沢庵が夫に好評でつまみ食いしてる。

今日はアパートの店子さんにカレーライスを出すので添えた。

あと夫の友人にもカレーと一緒に出したら懐かしいと。

梔子の実で見事に染まっていてそれも懐かしがられた。

 

我が家の近所には梔子の垣根があるが、ここ数年手入れが良くなくて花の咲き方がいまいちになっている。

数年前に町会主婦友だった奥様が亡くなられた、彼女の家でもある寺にある梔子の花は毎年美しく香り咲き、実をつける。

 

その寺の梔子の実は檀家さんたちが毎年持って帰ると聞いていた。

余ったら欲しいと思いつつも、年末になるとほぼなくなる。

 

良い色が出ると奥様が話しておられたなと、先日頂いた沢庵の包に添えられた梔子の実をみながら面倒見が良かった寺の奥様を思い出す。

長く民生委員をやっておられて、うちのアパートの独居高齢者も定期的に見舞ってくださっていた。

女子高生時代に近所にお住まいだった絹谷幸二画伯宅に短大生だったお姉様と遊びに行った思い出話しが楽しかった。

お姉様は画伯の美大時代の作品を今も持っていると話してくださり、鈴木千久馬画伯の孫夫妻の池之端画廊が始めていた上野の山界隈の画家たち展をとても褒めてくださった。

彼女が可愛がっていた猫たちも高齢なので少しずつ減り、一匹はほぼ我が家の敷地に居着いている。

今度、ご主人であるご住職にお願いして梔子の実を分けてもらおうかな、そして梔子の実を炊き込むご飯を作って、花と猫と芸術と美食を愛しておられた奥様を偲ぼうかな。

https://www.sbfoods.co.jp/recipe/detail/05930.html

 

私も60年以上生きて死別を重ねてきた。

ふと思い浮かぶ、亡くなった方々の笑顔を懐かしむ余裕ができてきたのは、逢えるのが近いと感じているからなのかなと思ったり。

 

今月は60歳で急死した15の時からの同人仲間で家族ぐるみで交流が続いていた明智抄の誕生日がある。

長生きをしたいと美味しいものが好きなのに、どんぶりでおかわりするほど白米が好きだったのに、美味しいものは脂肪と糖でできていると厳しい食事制限をしていたのに高校生の娘さんを残して亡くなってしまった。

歳下の天才というより天災な2度目のご主人を愛して、身を削るほど惚れ込んでいたけど、生前希望していた墓の場所は実家のだった。

あそこならお盆は賑やかだし、彼女が大好きだった祖父母もお父様も一緒だし、落武者の墓もあるけど……良い判断だったなと思いつつ、私たちは死後の墓の心配をする年齢だったんだなと実感した。

彼女のお祖母様の沢庵もまた美味しく。

よく干して萎びた大根と梔子に染まり柚子の香りもする沢庵。

私大好きだった。

残念なことにお祖母様は認知症となり沢庵の味の伝承はされることなく、今はもう食べられない。

使われていた柚子、その古木は明智さんのお父様が認知症の症状が出始めた頃に唐突に切ってしまった。

あの頃、毎年届いていた銀杏も、木が実をつけなくなり枯れていき業者に頼んで切ったと明智さんは言っていた。

そして明智さんももういない。

 

今年の誕生月にも彼女が大好きだった足立区で作られているシガールを送った。

彼女と同じ遺伝子をもつ人たちが食べてくれるだろう。けど、長生きしてシガールを好きなだけ食べて欲しかった。

彼女は糖尿のけがあり食事制限をしていたけど、彼女が亡くなってから認可が出た糖尿病の薬のリベルサスが、やはり糖尿病傾向だった私には劇的に効果があり私は普通食を楽しめるようになった。

あと一年長生きしていればと、リベルサスを服用するたびに彼女を思う。

 

福島で頂いた沢庵は本当に美味しくて懐かしい。

 

 

 

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体温36.3

 

血中酸素96

脈機械96

脈実測90 不整なし

血圧124-74