熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

ゴンちゃん

夫が相棒と呼ぶ白黒猫のゴンちゃんが歩けなくなった。
トイレに行きたいと鳴くので連れて行くも私が慣れてないのでタイミングが間に合わない。
夫は慣れているので上手くいくのだが、今回は夫もほとんど自力で歩けなくなったので出来ない。

夫と寝る猫たちの中で場所取りがあり、ゴンちゃんは譲らない猫だったが、今夫は足腰の問題で別の部屋で寝ており、ゴンちゃんは夫の気配を察しても鳴く。夫杖をついてゴンちゃんのそばにくる。
が、夫はしゃがめないので私が撫でる。

夫とゴンちゃん共に歩けなくなってしまった。
夫は杖を使えばなんとかだけど。

ゴンちゃんは猫だから杖を使えない。

人も猫も老いる。
なので、介護が必要になる。通院も付き添いがいる。が、今はマシに動けるのが娘しかいない。娘の負担が増えている。
25までは縁談が次々ときていた娘。
それは思春期からずっとアルツハイマーの祖母の介護をしていたのが知られていたからで、シモの世話もできる貧困母子家庭の年頃の娘だったからだ。

「持参金無しで身体一つで良い」「大学卒業まで待ってあげる」など、上から目線の地方在住者の親戚の甥や、御子息。地方は農家だけ。

都内だと家庭内暴力で有名な御子息などとの縁談もあった。
地方も都市部も相手さんの家族と同居の話ばかり来てた。
だいたい20位上歳上の男性。

何回お断りをしても息子の嫁にと娘に執着する年配の女性もいて、その女性は繰り返し娘や私に最後は懇願となり、突然亡くなられた。
息子のことが心配で死ねないと言っておられたので、申し訳ない気もしたが、娘を団地から出し、転居先を教えなかったのは意地悪だったのかと今もふと思い出す。





ゴンちゃんは娘も大好きで、娘が風呂に入ってる間はドアの外で待っていたが今はもうできない。

先月、池之端画廊で望月春江画伯の朱を使った見事な作品を鑑賞した。
朱は古代中国で、不老不死の薬、仙丹の素材の一つとされた水銀の赤色。中国の皇帝が蓬莱島に仙丹を素材を求めて船団を送ったが帰らずなんて伝説もあったな。

輪廻や天国を求めるか、不老不死を求めるかな人の業なのかな。

ゴンちゃん。

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