熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

根津の「あんぱちや」前の空き地の花

義父、独立美術協会の洋画家、熊谷登久平の最後のファンさんが毎年京都宇治の竹の子を贈ってくださる。
数年前にイノシシに荒らされて大変だった時以外はずっとで、宇治の竹の子は香り良く届くとご近所にもお裾分けをして好評だ。
残りをアク抜きして炊き込みご飯を沢山作り知り合いに差し入れた。
美味しいと喜ばれて嬉しかった。
鶏肉は上野桜木の鳥正本店さんで買った。

北海道出身の方にウドのキンピラも差し上げた。
北海道もウドを食べるとのこと、お父様が山菜やきのこを沢山採ってこられるとか。


ファンさんは実家が北千住で、仕事の関係で宇治に住み奥様も宇治の方、退職後は竹林や畑をやっておられる。
義父の絵を観て感動して電話をかけてきてくださり、家にも来られるようになったとか。
血縁以外では義父の絵を一番持ってくださっていると思う。
この方が亡くなられたら一般人で義父の絵を好きだと言って下さった方がいなくなる。
好きだと言っていただけると、義父を追っている私には心の栄養になる。
熊谷登久平はあまりにも忘れられていて、たまに心が折れそうになる時もあるし、寄付でもいらないと一関市から丁寧な手紙をよこされた義母は泣いたそうだし、私も泣ける時がある。
なので、好きだと言ってくださる方は有難い。
かつては三越の個展で売り切れていたという義父。
美術雑誌にも何回も出ていた義父。
今はすっかり忘れられて長谷川利行の薄い影となり、利行を偲んだ文章が転載され続け、いつの間にかオリジナルは矢野文夫氏のように書かれることもある義父。
宇治のファンさん、いつまでもお元気でいて欲しい。


クリエイターの作品を見たり読んだりしたら素直に褒めることは大事だと思う。
自分も業界の端っこにいたから、余計に思う。
なので私は自分が食べて美味しかったお店や、気分良いお店や、私に気持ち良い作品を創作されているクリエイターさんのツイートにはイイねを入れる。

夫の大好物の根津の車屋さんの「鯖の一本ずし」今日も買えた。
今日はタコヤキと簡単な食事も売っていたので、お世話になっている方への土産として購入しお届けした。
タコヤキは夫の好みでもあった。

根津の車屋さんから西に向かうと、谷根千の紹介で結構取り上げられる雑貨屋の「あんぱちや」がある。
あんぱちやの前は今は空き地になっているが、在来種のたんぽぽと名を忘れてしまったが、私が明石で増やしていた花が咲いていた。
ちょっとしたお花畑だ。
私のスマホ技術では可憐な空間が写し撮れてないと思うけど、好きな雰囲気だ。

ここから我が家に向かい三浦坂の手前で左側に曲がると、谷根千名物の一つ、「ひるねこBOOKs」がある。
古本と新刊を扱う本屋で店長のこだわりがある。
また小さな画廊でもあって良い作品が生で観られる。
今日は前から読みたいと思いつつ、読んだら泣くのがわかっていたので避けていた、横尾忠則氏の画集「タマ、帰っておいで」がひるねこさんにあるとわかり取り置いてもらったのを受け取りにお伺いした。


ひるねこさんの本棚に戦前からあった「みづえ」という水彩画の雑誌の図録があった。
みづえ、義父が旧制中学時代から絶対に読んでいたよな影響受けてたよなと思いつつ買わないで耐えた。

義父の旧制中学時代の水彩画は我が家と千厩の義父の従弟の熊谷儀一さん宅にあるのは確認した。
義父が通っていた旧制一関中学の美術部のメンバーは東京の美術雑誌に作品を投稿していたようだけど義父もしていたのだろうかと、みづえのバックナンバーも調べたいけど、資料室も図書館も閉まってて辛い。
なので古本屋さんの通販で色々購入している。
これ、くじ引きみたいなもので、当たりもあれば外れもある辛い。

もうね、我が家は本だらけなのよね。
夫も娘も私も本を読むから本は増殖し続ける。
本崩れが怖い。
結構痛いし。



ひるねこさんの並びの富士屋さんは野菜の卸だけど、今はコロナの自粛のため売り上げが減り、小売を始めていた。
北海道産の大きな玉ねぎが入れ放題で税込200円。
根津のスーパー赤札堂で一個69円税別の玉ねぎより質が良い。
富士屋さんしばらくは小売を続けるとのこと。

ひるねこさんの通りにある坂本建築さんに、今去年の台風で雨漏りをするようになった箇所を修繕してもらっている。
お願いした時に、大変な所から順番ってことで、我が家は3月20日からやっと。
残念ながら台東区補助金は3月16日までに工事に入る家に出るので我が家には出ない。

夫、「もっと大変な千葉の人たちに資材がいかないとダメでしょ」と、わかってるんです、こういう人だから結婚して一緒に苦労しようと思ったんですけどね。
と、惚気。



「タマ、帰っておいで」読了。

横尾氏の随筆は無駄がない。装飾がない。
その達筆で亡くなった愛猫のタマを語る。
そしてプロの画家である横尾氏が描いた様々なタマ。
猫猫したタマ。

読んでいて嗚咽もれても良いよね。
愛が沢山の本でした。

チビちゃんが死んで間もないので私も帰っておいでと。
そして愛する沢山の猫たちに帰っておいでと。