熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

熊谷登久平の命日 55年 青梅美術館『月の暈』

義父の命日なので縁のある奥多摩に向かう。奥多摩から秩父も義父は絵を描きに訪れていたそうだ。

 

奥多摩にある青梅美術館には義父の絵が死蔵されている。

 

独立美術協会創立メンバーである小島善太郎記念館でもある青梅美術館。

以前から観たいと思っていた小島善太郎の「四谷見附」の現物を観れた。
眼福。

小島善太郎が娘さんの敦子さんを描いた絵葉書「編み物」を購入。編み物をしている敦子さんの後ろに「四谷見附」が見える作品。敦子さんは日野の自宅兼アトリエ跡にて小島善太郎の遺品を守っておられた方で、のちにそこと遺品を日野市に寄贈された方。

独立美術協会の100年史などへの資料協力もされた方だ。

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青梅美術館の書架の資料をパラパラめくる。

私ここには熊谷登久平の作品は二作品あると思い込んでいたが「聖堂付近」「海に生く」と、もう一つ『月の量』の熊谷登久平 繪と文に掲載されたバージョンが青梅美術館にあると今日知る。

それらの三作品、残念ながら展示はされていないし予定もない。

しかも青梅美術館は来年から改修のために3年ほど休館するそうだ。

いつかは実物を観たいと心から願う。

 

で、青梅美術館にある『月の暈』、資料には1940年の作品で第10回独立展に出展とある。

 

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しかし、私が持っている第10回独立展(1940年)の絵葉書の『月の暈』は新宿の厚生年金会館にあった女性の後ろ姿が描き込まれたものだ。(年金会館解体後について厚生労働省に問い合わせたが行方不明)

 

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この絵葉書、我が家には二葉あり、一葉は使用されていないもので私が落札したもの。

一葉は義父の遺品、それは出さなかったのか、書き損じなのか、文面がある絵葉書。

 

義父は山形市の紅花通(繁華街だったらしい)にあった合歓木酒場のガレージの2階の部屋に休み、この風景を見たのだろうか。

この絵葉書、山形の女性、八百坂静枝さんに届いたものもあるのだろうか?

八百坂静枝さんが女性のモデルなのか、それともイメージなのか、描かれている山は蔵王連山なのか?

など、???だらけでもある。


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そして、1941年に出版された画集『熊谷登久平 繪と文』に白黒で掲載されているのは青梅美術館にある『月の暈』

第10回独立展に展示されたのは?

フランスの記者、ロベール・ギランが観たのはどちらだろう。絵葉書の情報をとるなら裸婦がいる版だが。

 

『「ロベール・ギラン 第十回独立美術展覧会評」

より一部抜粋

第十三室……

……又小川マリ子も大陸を材料にとり、女性らしく美しい感愛を力強く創造した。最後の室に近くなつても、吾々は決して、急いではならない。

その第十四室に於て、私はこの會に於て、めづらしい快さと驚ろき満ちた歌を聞いた事である。それは熊谷登久平の、半音楽的な佳作の論文である。彼は單に、畫家としてでばかりでなく、同時に詩人であるとも言へる。畫面から音律を聞く事が出來る。「月の裏」より受けるローマンチズム「砂」より受ける不思さ、「旅愁」より受ける悲歌など、彼の作品の原始的な、又新らしい感覚が、生み出す或種の感情は、彼の作品がこの展覧會の一方向を示して居る様にも思へる。赤色の光線と、肉感的な「月の暈」や「旅愁」は神秘な、同一の告白をして居る様である。彼はこの近代二十世紀の、むつかしさと、現代の騒々しさに拘泥せず、感傷的な詩人であり、又彼自らが、さうである事を臆面もなく発揮して居る事である。(終)

 

みづゑ 第426号 昭和15年5月発行 p621〜623』

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%A9%E3%83%B3



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↑この「海に生く」は第5回大日本海洋美術展 朝日新聞社 招待出展作品。

青梅美術館の資料にはその記載がない。

この半島は何処だろう。熱海からみた真鶴だったら三つ岩があるし。


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https://x.com/yanakakumagai/status/1728331119068946755?s=46&t=q2XPXKYNUjeBawBGuO16BQ
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青梅、紅葉がすすんでいて綺麗だった。

美術館を出て郷土資料館に向かい風景を楽しんだ。

 

 


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青梅には昔墜落したB-29の調査できたことがある。米軍の資料を調べて博物館に渡したのも懐かしい。

あの時、民家の庭先に置かれていたB-29のエンジンはその後博物館に寄贈され、今も展示されている。

懐かしや。


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義父の命日で青梅に来たのに、ついB-29のことを思う私。

 

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義父と川端画学校で共に学んだ宮本三郎の(多分熱海)絵が以前ヤフオクに出ていた。

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見覚えがある島だなと思った私の脳は野獣派かも。

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で、帰りに神戸の女子大生だった明石育ち埼玉在住の京都の同人仲間の友人と埼玉県の入間市へ #跳んで埼玉 を観に行った。

今回は近畿版な話し。滋賀県が埼玉県の位置にある。在来線で移動していた私たちには平和堂が懐かしい。

つかローカルネタだらけ。

 

そしてたぶん明石の人間が虐げられているよなストーリー展開。
私は明石育ちの神戸の女子高生だったけど、血の半分は神戸だし。
東京である足立区歴が一番長いし。
っても埼玉県の川口駅が最寄り駅だった足立区舎人だけどな。川口市民病院に何度も入院したし、第二子は川口市民病院で産んだし、その子は埼玉県立小児医療センターで命助けられたし。

なので埼玉が好き。







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