やれるのか私、大丈夫か私。
で、こういう時に気合をくれた友人は死んでしまい、「明子さんは大丈夫よ」と言ってくれる人がいない。15歳の頃から彼女に支えられて頑張れたんだな。
ので、眠れないまま。
還暦過ぎても蓄積のない世界だらけ。
ぐちゃぐちゃに引っ掻き回して結果が出なければ私はどうなるのだろう。
徹夜明けで心臓の方の検査、順調に不整脈。
12時間以上何も食べてないので薬局で薬を待つ間に蕎麦屋さんへ。
東京の蕎麦のつゆ色。
天ぷらはこんがりと東京風。
上京してきた時はびっくりしたけど今は美味しくいただいている。
人気作家だったので父の蔵書にも結構あった。
戦後の戦争から復員した庶民のサラリーマンたちが、敗戦により上層部が公職追放となった空白に入り、出世していくシリーズだった。
義父の熊谷登久平は戦争画逃れで国策会社の東京航空計器に嘱託で入り、徴兵の従軍画家逃れで昭和19年に正式に入社し社員となった。
敗戦後、重役が戦犯容疑や公職追放になったり、残った大卒社員は……
その大卒の義父は残るように頼まれて役付きになった。進駐軍との交渉やったりしている新聞記事を読んでも私がすんなりと受け入れられたのは源氏鶏太のおかげかな。
「三等重役の世界」みたいだと。
大衆小説で棚ぼた的な三等重役が受け入れられたのは、戦後良くあったことなのだろうか。
以下Wikiより。
『「三等重役」とは「サラリーマン重役」のことで、創業社長でもオーナー社長でもなく、一般社員と意識的にも能力的にもさほど変わりのない人物が取締役、あるいは社長になったことを指し[1]、源氏鶏太の本作によって広まった語である[1]。本作の場合は、前社長が戦争協力者とされて公職追放され、思いもよらなかった人物が社長になる話である。』
義父は敗戦後に国策会社東京航空計器の役付きになり会社存続の危機に残された技術の平和利用で映写機を作り、その映写機のニュースターが大ヒットし東京航空計器は生き残れた。