下谷小学校の解体前の公開日につぶやいた戦中の撮影会の様子は「一銭五厘たちの横丁 (岩波現代文庫)」で垣間見ることができる。
「一銭五厘たちの横丁/桑原甲子雄のカメラに収められた留守家族の写真を唯一の手がかりに,昭和50年東京下町をルポライター児玉隆也はひたすら歩く」
出征した兵隊さんに送るため残された家族の写真撮影をした下谷区生まれの写真家桑原甲子雄。
その写真を持って該当すると思われる地区を訪ね歩くルポライター児玉隆也。
焼けた地区もあれば焼け残った地区もある。
まだ台東区に戦前の街並みが点在していた頃のルポタージュ。
旧下谷区の下町と山手の谷中清水町の違いも読み取れる。
谷中清水町の酒屋さんの女性が戦死した息子の後追いで隅田川に投身されたのもこの本で知った。
頼まれていた参考資料の参考撮影をしようとしたら飛び込んできて「わたしを愛でる許可を与えましょう」的な猫。
さあ、愛でなさいと目線もくださいました。