熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

富士山の日だそうだ。

今日も夫は大変だった。

おやつに胃に優しい山芋多めのお好み焼きを出したら喜んでくれた。

義母と義兄と死に別れて気力を無くしガリガリだった頃の夫を知っているから食欲があるとホッとする。

また裁判をすることになるのかと私も緊張が続いていたが、しないでよさそう。多分。

論理感がない人と関わってしまい、その後始末に追われている。いつ終わるのだろう。

 

 

↓9日の日記から。

 

『富岳
富士山は葛飾北斉に描かれ、近くは林武によって有名だ。

戦前のことだが、熱海、十国峠の東豆鉄道の専用道路の番小屋に、寝泊りして、十二月一日から三十日まで、まる一ヶ月富士に挑んだ。朝四時半、朝日をうける富士、寸時もたたないうちに何度も色をかへる。そのたびに画布をかへる。もう八時すぎたら夕方まで富士は光輝を発揮しない。

野風呂に入つてゐると、星空の下にくつきりと富士の姿がたつてゐる。

何枚も描いたが、女のような富士山だった。三十日目、私は真赤に富士を塗つてゐた。

この富士を仙台の三越の個展にならべたら、旧第二高等学校の国漢の教授の粟津先生が、おいでになられ、「熊谷さんあんた富士の剛さを描きましたね」と大変ほめられたことがあった。

三十日目、真赤に富士を塗ったとき、私の心をすぎた満足感、これは粟津先生が話されたこと同じだと思ふのだった。』

 

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