(表紙のことば)
熊谷登久平
那須岳
山に入るもの山を見ずという諺がある。
那須岳が好きで、那須温泉 那須野が原に、何度足をはこんだことであろう。
冬は、夏は、秋は、春は、しかし、那須岳は、近かすぎて絵にならない。 まことに諺のいふとうりだ。それで何処から那須が描けるかと、目を皿に
して探してきた。
東北本線が、郡山駅をでるとまもなく、左側遠く
那須連峰が、見へはじめる。
そして白河では汽車の左側にみへた那須は右側に、そびへたつ。
とりわけ黒田原駅近くの那須連峰の眺めは美しい。十月の末から三月末の夕方が、なんともいくない光彩をなげかける。
私は陸中の生国を訪ねた帰りは、ここを、夕方通る、列車を選んで、乗る。 空にあらわれた雲が、ちぎれ、とぶ 。
淡黄色から黄金色に、そして朱に、赤に紫に、かわってゆく雲、那須岳は、魔神のように色をかへる。 そして噴煙もまた。
熊谷登久平画伯は、明治三四年生 岩手県
出身 独立美術協会会員、川端画学校修
藤島武二氏に師事、旧文展無審査、
著書に「登久平 絵と文」 「陸中童暦」など。
(現住所 東京都台東区谷中上三崎南町五一)
社会保険 17(7)(192)
永続的識別子info:ndljp/pid/2715992
タイトル社会保険 17(7)(192)
出版者全国社会保険協会連合会
出版年月日1966-07
先月、新幹線の車窓から目を凝らして、あってなったけどシャッター間に合わなかったわ。私がやるべきは青春18きっぷで在来線の旅かなぁ。
何回か書いてるけど、ねんきん、社会保険の表紙の絵は作品をトリミングしているので全体ではないです。
義父の遺品の中に車窓から描いたと思われる形が次々と変わる風景のスケッチがあり、それで私は車窓から見て気に入った場所があれば下車して描いたのではと夫に話したら、夫はそうだったと常磐線での同行時の話をしてくれ、幼かった夫用の折り紙の裏すらスケッチに使うほどだったと。
で、ちらちらと私はそれを匂わせてここに書いていた。
福島から山形へ向かう車窓からの眺めのスケッチブックはあり、一関から東京に向かう時のスケッチブックもある。
残念ながら正確な年、日時がわからないものは資料にならないとのご鞭撻を以前学術の方から頂いたので、個人的な日記ネタとする。