熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

熊谷登久平宛 中沢弘光書簡

戦前、熊谷登久平が白日会の中沢弘光と近しくしていたのは(極一部に)知られているが、戦後第20回独立美術展があった昭和27年にも交流はあった。

手紙であるけれど。

 

今私は中沢弘光の関東大震災を描いた連作が気になって仕方がない。

江戸東京博物館デジタルアーカイブで2点見られる。

問い合わせたところ6点収蔵されており、残りもアーカイブで公開予定だそうだ。

ヤフオクなどにたまに出る。

背景から知りたい。

 

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「熊谷登久平宛 中沢弘光書簡 翻刻

 

 

拝啓 日増にお寒くなりました

その後ハ御無沙汰してをります

先日ハ独立御案内いたゞき

拝見致しました 虎の画ハ

なかなか面白いもので近頃

画風が穏健ニなられたやうで

すがいつも注目される御作

で敬服致してをります 白

日もだんだん后進の上手な

人もふえてきて冨田君も

よろこんでをられます 日展

まります 御寸暇の折御一

覧下さいませ 老生のハ不相

変平凡な古い描写です

それでもまだ頑健ニやつて

をります いづれ又何かの機

会ニお目ニかゝりたいと思

つてをります 乍延引御礼

まで

   十月廿五日

         中澤弘光 拝

 熊谷登久平 様

     御案下」

 

 

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