在廊 島村直子 熊谷明子
「熊谷登久平《曲馬》油彩 キャンパス
昭和6年(1931)
朝日新聞推薦展に出展した作品。里見勝蔵の影響がみられる。
この年登久平はサーカスを題材とした作品を二点描き『軽業の女』を白日会に出展している。
開国後、江戸時代からの曲馬芝居はすたれ、西洋曲馬へと人気はうつりサーカスが曲馬と呼ばれるようになる。
長谷川利行が友人の登久平に残したスケッチブックには昭和3年浅草でのサーカスの楽しさが記されている。
本絵は昭和6年作だが人々が熱中した躍動感と彩りがある。(熊谷明子)」