熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

登久平 二科入選作品のサインとか

東日本大震災で飾られていた旧気仙沼図書館の壁から落ち、額縁が壊れ、そのまま倉庫(収蔵庫ではない)に眠っていた熊谷登久平の「漁撈船」が昨日無事にリアス・アーク美術館に移管され、洗浄と修復待ちとなりました。

美術館が現状写真を送ってくださいました。この絵は義父が描いた時のことを書き残しているので観たいとずっと願ってた。写真ででも観られたのはとても嬉しい。

 

状態的には経年劣化があり、ヤニと埃の汚れが酷いけど洗浄されれば鮮やかになるでしょう。

 

また地震で落下した時に壊れた額もできる限り修復してくださるとのこと。

落下時に画面に何かが当たった傷のようなものもあるが、幸いなことに破れてはいない。

 

この絵、よほどのことがなければ、10月8日から一関市千厩での熊谷登久平展のためにお借りでき公開できる予定。

修復が間に合わない時は気仙沼のリアス・アークで公開されるのを楽しみにしませう。

しつこいが、この絵は図書館の壁から落ちたあと、美術品など用の収蔵庫ではなく、空調のない倉庫にあった。

朽ちる可能性もあった、心配で仕方なかったので美術館に移管は本当にありがたい。

 

 

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さて、漁撈船という題名は義父がつけるタイプではなく、後付けの題名ではないかと私は考えている。

 

気仙沼の大気新聞の社長がこの絵は二科入選作品だと書き残しておられる。

義父の二科入選作品は「気仙沼風景」「赤松と水車小屋」「落日」「海」

気仙沼風景と赤松と水車小屋は岩手県の親戚が所有している。

落日は岩手県立美術館にある。

以前も書いたが海がどこにあるのかわからない。

この頃、義父は何故か二科展用はフルネームをアルファベットの楷書体で書いている。

 

気仙沼図書館にあった漁撈船のサインは二科出展用と同じ。

もうこれは二科展に出した「海」でもいいんじゃないと思いつつ、証拠がない。

 

この後、義父は二科と決別した独立美術協会に出展するようになる。

二科会員になることを夢見た長谷川利行との濃い交流は続いている。これは、その時代の作品。

 

 

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昭和4年気仙沼風景

 

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昭和4年 赤松と水車小屋

 

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昭和5年落日

 

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昭和5年 漁撈船(?) 「海」と思われる。

 

今日は氏神さまの諏方神社のお祭り。本祭。

残念ながら今年も自粛。

この神社のすぐそばに長谷川利行が住んでいた。

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九州堂のソフトクリームが美味しい。
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しつこいけど参照文献。

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