熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

池之端画廊の日本画院展第二会場 望月春江の鯉の赤色とバーミリオン

池之端画廊の日本画院展第二会場で、今回展示されている望月春江の『鯉』の赤は古来から愛された『朱』

もちろん木蓮の花、鯉のリアルと案配に魅入った。そして、赤色。

この『朱』という赤色は褪色しにくいので、望月春江が描いた時のままに近いかと思われる。

私の壊れたけたiPhone7の写真ではうまく出ないが、あざやかなる赤。(正式には朱)

この赤を私は義父がらみで見たかったので、望月春江の名画と共にたっぷりと見られたのは感動だった。

朱の原料は辰砂石、ぶっちゃけ硫化水素

洋画の世界で義父の熊谷登久平や長谷川利行が使っていたバーミリオンと同じ原料。
今は行方不明になっている長谷川利行が描いた熊谷登久平の肖像画(二科展の友)は、現物を観た人によると、赤中心、描かれた時代を考えると、おそらくバーミリオンを多く使っていると思われる。


辰砂石は古代中国の仙丹の原料でもある。(毒です)

硫化水素は毒なので、辰砂石を砕き擦って作った辰砂を焼いて作る黒絵具の『黒朱』はもう職人が居ないそうだ。

日本の色を表現する言葉は数多ある。
朱がつく色は辰砂石が原料なのだろうか?
一応画学校の講義の中に色彩もあったけど、私にとっては大変だったグレースケールや色見本どおりに色を作ることなどしか印象にない。
40年経ってから真面目にやっていればと後悔をしている。


https://cc.musabi.ac.jp/zoukei_file/05/web-data/2A-6.html



http://www.cad-red.com/jpn/mt/pig_red_xxx.html

『古くから使用されている赤色系絵具。成分は硫化水銀で比重が重く、水銀と硫黄を混ぜて加熱昇華し人工的に作られる。基本的には不変色であるが鉛化合物系絵具と併用すると化学変化を起こし黒変色する。』
『黄口本朱、赤口本朱、鶏冠朱、鎌倉朱、古代朱、紫口朱、黒朱など』
(武蔵野美術大学日本画絵具のサイトより)


https://cc.musabi.ac.jp/zoukei_file/05/web-data/common/title.gif

http://zokeifile.musabi.ac.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%94%BB%E7%B5%B5%E5%85%B7/

辰砂と黒辰砂

https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/rekishi/kenshi/asp/shijyo/detail.asp?record=604

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