熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

池之端画廊 ー明治・大正・昭和 ー 時代を彩った洋画家たち(Ⅱ)

池之端画廊、2021年2月3日(水)〜2月21日(日)
ー明治・大正・昭和 ー 時代を彩った洋画家たち(Ⅱ) 鶴岡政男 長谷川利行 里見勝蔵 朝井閑右衛門 岡田三郎助 他 が開催されますが、「他」に義父の熊谷登久平が入っています。

上野の山の竹の台陳列館や旧東京美術館の時代に思いを馳せられる展示会かと。

今回展示される義父が義母を描いた絵。
カラー写真が普及していなかった時代に新妻を写しとるため、野獣派の技巧ではなく、黒田清輝たちの美學に入学するための名門校でもあった川端画学校で大正時代に学んだ肖像画の技巧をあえて30年後の昭和20年代に使っている感じです。
前にも書きましたが、この作品単体で他から鑑定に持ち込まれたら次男である夫ですら戸惑ってしまうと思う。それぐらい描き方が違う。

これ、証拠はありませんが昭和天皇と皇后さまがご覧になられた作品で、皇后さまが少しずれた絵を直してくださり、天皇陛下が「お綺麗な方ですね」と義父にお言葉を下さったとか。
なので義父は絶対に手放さないよう死ぬまで言っていた絵です。
(繰り返しますが、証拠はありません。伝承です。)


今日は展示会の準備で池之端画廊さんの鈴木さん夫婦が義父の作品の撮影にいらっしゃった。
撮影終了後に奥様をお誘いして娘の電動自転車を使って頂き、谷中を少し案内した。

谷中の鎮守の杜の諏訪神社向かいの太平洋美術会にも立ち寄り、松本先生にお宝を見せて頂いた。

彫刻家の堀進二のレリーフとデッサン。
洋画家で版画家の吉田博の版画。
生で観た。
かぶりつきした。
ミーハーしてはあはあした。

堀信二先生は我が家の隣の日本美術院の斜向かいにアトリエがあり、義父とも交流があったそうだ。太平洋美術会の校長でもあった。

話しを戻すが、2月に池之端画廊に展示される作品の画家の何割かは太平洋美術会で絵を学んだ人たちで、鶴岡政雄、大河内信敬、また遊びに行っていたのが長谷川利行。太平洋美術会、当時は谷中の真島町にあり、規模も大きかったが空襲で焼けてしまった。それを関係者が復活させた場所が今の諏訪神社向かい。
日本で一番古い洋画学校の伝統が続いているのがすごい。

また薔薇の画家としても有名な朝井閑右衛門の作品も生で見られる。
この人は本郷洋画研究所出身で変な伝説が沢山あるが、そういう人だったらしい。
額縁は上野桜木の佛雲堂の三代目浅尾丁策さんのものだけしか使わない。
義父は浅尾丁策さんと彩美堂でお願いしていたが、浅尾丁策さんだけの画家も多い。


「明治・大正・昭和-時代を彩った画家たち」は浅尾丁策さんのコレクションが中心で、第1回の展示会の時、展示の豪華さに驚いた。
義父の先生である里見勝蔵や交流のあった画家さんたちの作品も展示されていて、贅沢な時代に生きたんだな義父と思ったけど、まさか今回は義父も企画展に加えて頂けるとは。
もうね、とても光栄です。



太平洋美術会の帰りにギャラリー七面坂途中のさんにたちよる。
今の展示は『寄ってらっしゃい遊んでらっしゃい-信川みなみ初個展』
ハンコで表現された作品で、楽しくも繊細な世界。
藝大の卒業制作のがレトロな雰囲気を持っててアレっと思っていたら、池之端画廊の鈴木さんが用紙に気が付き質問。
雰囲気を出すために選んだ紙でした。

楽しい展示でした。

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