熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

#江戸東京重ね地図 もいいものだ。

https://jhico.org/emt-s

江戸東京重ね地図は、江戸、明治、現在とかの地図を見られるアプリなんですが、明治40年頃の地図で我が家を確認すると 岡倉天心旧宅 と出る。
岡倉天心
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E5%80%89%E5%A4%A9%E5%BF%83

この家は以前銅ぶき屋根のお屋敷で、日本庭園があり、隣の日本美術院の日本庭園と対になっていた。
熊谷登久平の次男である夫が幼い頃に聞いた話しでは、元々は岡倉天心の屋敷であったが天心が校長をしていた美学校を追われたあとは、二代目校長高橋秀夫、三代目久保田鼎が住んだ(登記簿で確認済み)、熊谷家となっている平屋の屋敷は天心が美学校で教える時などに宿泊をしていたらしい。
天心亡き後、日本美術院をこの地に復興させようと願った弟子の横山大観たちが久保田鼎からか、その養子からか土地を現在の日本美術院の敷地を購入したが、資金が足らず横山大観などの弟子が購入した部分もあり、いくつかに分筆されていた。
それらは彼らが亡くなると美術院のものとなるようになっていたので今は美術院のものだ。

しかしのちに登久平が入手した土地は予算の問題で買えず久保田鼎の養子が相続したが手放し、震災後の復興特需で潤っていた大工さんが購入して登記している。がなぜか手入れがされておらず荒れていた。
それでも登久平たちには岡倉天心が住んでいた憧れの場所であり、いつかはみなで暮らしたいと思っていた。

色々あって生家の家業を継がず画家になりたいと言って勘当されていた登久平は二科展に入選したことで、勘当が解かれ、父親からはパリー行きもさせてやる、アトリエも買ってやると美術記者が記事で揶揄するぐらいの親バカをされて、おねだりしたのが岡倉天心旧宅らしい。
口添えを弟に頼んだとか。
この時、登久平もある程度持ち合わせていたが足りなかった。だが急ぐ理由があったらしいが間に合わなかったようだ。

で、岡倉天心旧宅をリフォームしてアトリエと皆で宴会できるようにしたとか夫には伝わっているし、千厩の親戚もそのように言っているが、ここが岡倉天心旧宅の証拠がなくて私は右往左往していた。

登記簿の最初は高嶺秀夫先生。
次は久保田鼎先生で一度手放し買い直している。その後は養子さんで次は大工さん。
日本美術院の百周年史も載っていない。久保田鼎の屋敷を買ったと書いてある。
天心記念五浦美術館にも問い合わせたけど、今私が住んでいる土地に天心が住んだのかは学芸員さんにもわからなかった。
横山大観先生が御存命の頃はふらりと訪れて縁側で義父と飲んで天心を偲んでいたそうだが資料はない。
上野桜木町会がまとめた上野桜木から谷中に住んだ文人たちの記録にもない。
台東区の記録にゃあない。台東区はかつて近代文化の坩堝であったことや芸大や国会図書館があったり、博物館だらけなどに甘んじている。
戦後50年頃は聞き取りなどを熱心にやっておられたのに今は丸投げで観光客向けの企画に金を出すところだ。旧浅草区と藝大と観光の植民地みたいなもんだ。
資料を探しても森まゆみさんで止まる。
彼女たちが頑張ったのを良いことに放置したような、そして残念ながら谷中学校とか若い人たちの町興し的な動きが出ても、彼らの多くは出世すると谷中を出て行く。
もしくは不動産業に勤しむ。

そんなこんなで岡倉天心旧宅説は証明が難しいと思っていたのに、アプリの江戸東京重ね地図の明治40年頃とやらにバッチリと。

元地図は地理院にあるんだろうか。
私はまた筑波に地図や航空写真を見る旅に出るのだろうか。
つか今はインターネットの時代なので調べられるのかな。

この地図が本当ならば、夫が義父と義母から聞いていた裏の墓地の大岡越前守の墓のような記念碑のようなもので、夫が幼い頃は大岡越前を演じる役者がお参りをしていたという場所が岡倉天心絡み説もありかもしれない。


http://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/05_tenshin/01_tenshin1.html
美術学校騒動
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%8E%E8%A1%93%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E9%A8%92%E5%8B%95

日本修学旅行の父、高嶺秀夫

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%B6%BA%E7%A7%80%E5%A4%AB

気苦労の人
久保田鼎
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%85%E4%BF%9D%E7%94%B0%E9%BC%8E

忘れられている人 熊谷登久平
https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9199.html