熊谷登久平アトリエ跡に住む専業主婦は大家の嫁で元戦記ライター

台東区谷中の洋画家熊谷登久平のアトリエ跡に住む次男に嫁いだ主婦の雑談

主婦してる

連日、三人分のご飯を作っている。
夫と娘に合わせて作るので胃が辛い。
二人はこってり系気分らしく食洗機の高熱モードじゃないと食器やフライパンの油汚れが落ちない。
下洗いした手がギトギトしてる。
母の形見の指輪もテラテラだ。

指輪といえば義父の形見の指輪は義兄が大事に持っていたので今も我が家にある。
義母の形見は倒れた時に夫が預かりしまいこんでいたものだけだ。
お弟子さんたちが義父を偲んで書いた手記には30個の指輪の話がある。渡航をしていた時に義母に似合いそうな指輪を片っ端から購入していたと。
ドルの持ち出し制限があった時代にそんなに買えるのかと思っていたけど、春画と交換してとかもあったかもと先月岩手県の義父の従兄さんが大切に保管しておられる春画を見て思った。

夫は義母が指輪持ちだったのを覚えていて、全部私にくれると言って義母の宝石箱を渡してきた。
私が中を確認すると明らかにこの10年の間のものと思われるステンレスの指輪が沢山入っていた。
義母は倒れてから出歩いておらず指輪を売るなんてのもできない。
出入りの宝石商こと、義兄の親友が置いていったという凄いダイヤや星が入っているルビーの指輪もない。
あるのはおもちゃだった。


義父がパリやエジプトから送ってきてるハガキに書いてある「また指輪を買ったよ」はどんな指輪だったのかもうわからない。

写真でも良いから見たかったな。