介護離職をした時に色々と諦めました。
ちょっと華やかな世界の住人であった時代を引きずりながら、どんどん私を忘れていく母のシモの世話をして、思春期の娘と交代で母を24時間見守る日々で、夫のことは完全に放置。
介護離婚を招き、自分も何度か倒れて脳を司るホルモンを自分で作れない病気甲状腺機能低下症の橋本病とわかった時には記憶障害と知能低下が進んだあと。
実は私の知能はとても若くなっています。
経験の積み重ねがあるから日常生活をやっているように見せてますが、たまに出来ないことが増えていることに落ち込みます。
でも、憧れた世界への夢はまだ生きていて、憧れる技能もまだあり、感動もできるのは幸せだと思います。でも落ち込む時は落ち込みますが。
で、本日、小学生時代から大好きだった作家さんの一人、木原敏江先生の原画展とサイン会に行ってきました。
東京に住んでてよかったです。
介護離職をする前は一応業界人でした。
女性向け耽美雑誌の元祖JUNEや、戦記雑誌丸で連載を持ち、思春期からの仲間と遊び、その仲間多くも業界人で漫画家や作家でしたが彼女らにも介護離職組がいます。
この摩利と新吾 完全版の発色の美しさは会場で原画を見て欲しいです。
再現率高いです。
私も編集もしていたので、デザイナーさんと原画の再現について印刷所と交渉したり高い色見本を何度かやり、自分の取り分を減らしたこともあります。
好きでやってた仕事だし、原画の美しさをとどけたいじゃないですか。
介護離職と離婚を経て再婚したので、この名前でサインをもらうのは初めてです。
連載当時は活版印刷ですから、繊細な線は飛びます。コミックスでなんとか再現されますが、当時目にできた原画に1番近いものは投稿者に与えられる複製原画です。
これコミックスには載ってません。
再録嬉しい。
買いました。
使いました。だって健康寿命長くないですもん。
つか色んな病気を持ってて、自分では作れなくなったホルモンもあり、それを飲まないと喋ることすら不自由な体です。
会場内は撮影禁止なので外の雰囲気を。
これは前回の原画展です。
これも良かった。
木原敏江先生は、新選組に女性が男装をして入隊し行動する元祖的作品、「天まであがれ! 」や。
吸血鬼物に読ませて実はSFな 「銀河荘なの!」
フランスを舞台としたアンジェリクという小説を基にした、ロマンマンガ 「アンジェリク」 おかげさまで原作全巻読んでいます。
翻訳者の井上先生にファンレターを出して返事も頂きました。
「夢の碑」も外せないし、海賊ものやらなんやら独特のロマンチックがあり、伝奇、浪漫、乙女、バンカラ、悲劇、なんでもありです。
で、サインもらって握手してもらえたんです。
SF大会の名古屋でのカプコンで、初の女性向け男性禁止企画をやったり、マンガには才能がないと気がついてノンフィクションを目指して賞をとったり色々して、松本零士先生や野田昌宏先生とも仕事ができて、ターンAガンダム本放送と平行して書くライターも経験でき、一生懸命階段を登って行き、介護でまたゼロになり24年組と仕事はもうないと諦めてましたけど、サインもらえましたし、頑張って生きたおかげで紙印刷出版が進化しているのを実感できました。
日本の印刷文化はまだ活きてる感覚の幸せ。
私が仕事をしていた編集部はほとんど無くなりました、街の本屋さんも減っています。
連載しているからってコミックス化を待っていても、紙書籍になるのは減りました。
明らかに編集がコストを削ってる本が山ほど出ています。
そんな中で編集が丁寧にされデザイナーが入ったと思われ、印刷所が綺麗に再現して、製本されたのが、摩利と新吾 完全版 です。
そりゃ幸せです。